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第5回 ソウル風かぼちゃ粥/菓子研究家・福田里香さんの【台所はいつもセレンディピティ】

旅先で見つけたおいしいものは、帰ったらすぐに台所で再現したい。福田さんの手にかかると、ひとつの料理がどんどん進化していきます。

ソウルで見つけたお粥の味

この冬、京都で雑貨店Kitを営む椹木(さわらぎ)さんの買い付けにくっついて、ソウルに遊びに行きました。韓国通な人々に同行し、在住の友人たちと現地で落ち合う旅は、毎日楽しいことばかり。とにかく全員おいしいものが好きで、みんなで吟味した朝昼晩の食事の合間にお茶、おやつ、コーヒー……とソウルの食を堪能しました。毎朝食べたのはお粥とスープ。特に広蔵市場(クァンジャンシジャン)の屋台で食べたスープとお汁粉の中間みたいな、かぼちゃ粥が気に入りました。さっそく家に帰って作ってみた。かぼちゃ粥には、青唐辛子キムチ添えて。
第5回 ソウル風かぼちゃ粥/菓子研究家・福田里香さんの【台所はいつもセレンディピティ】
「ソウル風かぼちゃ粥」。年末年始の疲れた胃にやさしい一品。広蔵市場で買った青唐辛子キムチは、香味のある辛さで甘いお粥にぴったり。

かぼちゃの種は出汁になる

常々、かぼちゃの種のまわりに絡み付くワタがもったいないと思ってました。たとえばメロンは、じつは“種のまわりのワタの部分”が、果肉の中でもっとも甘いんです。なのでわたしは、メロンの種部分をかき出したら、茶こしで漉して、メロンの果肉にまわしかけて食べることにしています。そうすると、イマイチ熟れてない味の薄いメロンも二段階くらいおいしさがアップするんです。かぼちゃのワタの場合は、軽く煮出すといいみたい。鍋にかぼちゃのワタと水を入れて3分ほど沸騰させ、ざるで漉せば、汁物の出汁として使えます。
第5回 ソウル風かぼちゃ粥/菓子研究家・福田里香さんの【台所はいつもセレンディピティ】
左)かぼちゃ粥2人分の場合は、水250mlとかぼちゃ200gのワタを種ごと鍋に入れて3分ほど沸騰。右)ざるで漉したところ。

お粥は熱々で食べたい

お粥は熱々で食べたい派です。もちろん、せめて60℃くらいに温度が下がらないと口に入れられないわけですが、器につぐ時点では、ふーふーしなくては火傷するくらいの高温度であって欲しい。器を両手で抱えるとじんわり暖かくなる現象も味のうち、口福だと思うからです。冷め防止のため、お粥を鍋ごと食卓に出したいときに、把手のない“やっとこ鍋”が重宝します。やっとこで挟んで動かすわけですが、慣れるととっても便利。入れ子に重ねて収納できるから場所も取りません。
第5回 ソウル風かぼちゃ粥/菓子研究家・福田里香さんの【台所はいつもセレンディピティ】
京都「鍛金工房 WESTSIDE33」のやっとこ鍋。ワインのコルク栓を接着剤でつなげてリユースした手作りの鍋敷き。

洋風にアレンジしても◎

ソウルのかぼちゃ粥を自己流にアレンジ。2人分の作り方です。米40gと水400mlを火にかけ、煮ている間にかぼちゃ200gの皮をむき切り分ける。別の鍋で、種とワタ、水250mlを3分ほど沸騰させてざるで漉す。米を15分煮たら、かぼちゃとワタの煮汁を加え、さらに15分煮る。かぼちゃが柔らかくなったら、木べらでつぶして粒の残るポタージュくらいにする。塩少々で味を整えれば、できあがり。かぼちゃの甘味には、辛いキムチも合うけど、塩気のチーズをふって洋風にしてもおいしい。お粥って醗酵食品とすごく相性がいいですね。
第5回 ソウル風かぼちゃ粥/菓子研究家・福田里香さんの【台所はいつもセレンディピティ】
左)パルミジャーノをたっぷりけずり、黒胡椒も少々。右)栄養たっぷりの青大豆とうずら豆をオリーブ油と塩で合えた付け合わせ。前回04の蒸し豆の要領で作る。
福田里香
福田里香(ふくだ・りか)さん
ふとした偶然をきっかけに幸運をつかみ取る=セレンディピティ。菓子&料理研究家の福田里香さんは、台所はセレンディピティに満ちた場所だと話します。
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagramにはおいしいもの好きが集う。
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